金魚の飼育用水に利用する水として、ほとんどの人が水道水を使っています。ただし、水道水には殺菌剤としてカルキ(塩素)が含まれています。この塩素は人間には無害ですが、金魚にとっては有害です。
したがって水道水をそのまま使用することが出来ません。
水道水を使って飼育用水をつくるには、あらかじめ水道水をバケツなどに汲みためて1~2日間、外に出しておけば塩素を消散することができます。また市販の塩素中和剤やハイポを使って中和させることができます。
市販されているハイポの場合は、水道水10リットルあたり1粒くらいの割合で入れればよいでしょう。
金魚にとって快適な水温は、だいたい15度~28度くらいです。例えば、15度以上になると活発に動き、エサを食べ始めます。20度~28度になるとますます活発に泳ぎ、食欲も旺盛になります。
しかしこれ以上の水温になると動きは鈍くなり、食欲も衰えていきます。
逆に冬季の5度以下の水温になった場合も金魚はほとんど動きが止まり、いわゆる冬眠状態になります。
また、金魚は急激な水温の変化に対してたいへん
弱く、通常生活している水温からプラス・マイナス5度の水温変化が耐えられる限界といわれています。
金魚には、動きの活発なワキン型、長いヒレが自慢のリュウキン型、おっとりしたランチュウ型などがあります。これらを同じ水槽に一緒に入れると活動状態が違うのでうまくいきません。
大きさが大小極端に違う金魚も同じことがいえます。同じ水槽には、同じ型で大きさもだいたい同じ金魚を飼うようにしましょう。
金魚を飼育するうえで大切な事は、少なめに飼うことです。よく使われている60センチの水槽でエアーを送らない場合、体長3~4センチの金魚なら7~9尾が正常に育つための限度と言われています。
また、同じ大きさの水槽でも、エアーポンプなどでエアーレーションを行えば、もっと多くの金魚を飼うことができます。ですが、多く入れすぎると水の汚れも早くなりますし、健康に育てることが出来ません。
できるだけ少なめで飼うことをお勧めします。
金魚を飼育するために大切なことは、エサを控えめに与えることです。金魚には胃がないので食いだめが出来ません。したがって少量のエサを何回かに分けて与えることが必要です。一度にたくさん与えても食べきれず、食べ残したエサは水底にたまり水を汚す原因になります。
またエサを一度に与えすぎると消化不良を起こし、病気の原因にもなります。
また、金魚の食欲は水温にも比例し水温が上がれば食欲が旺盛になり、下がれば減退します。よって、季節によってエサの量も増減し、晩秋以降はエサの量を減らしたほうがいいです。
金魚にとって水質の悪化は、命に関わる問題です。よって、水槽内の金魚の状態、水の色や汚れには注意をして、もし水質が悪化していると判断しましたら、すぐに水を取り替えるようにしてください。
水質が悪化していると思われる状態にはいろいろありますが、一般的に次のような現象が見られたら、早急に水替えを行ったほうがよいでしょう。
このほか金魚のどれかが病気になった時も要注意です。水質の悪化が病気の原因になっていることがよくあるからです。病気の種類にもよりますが、病魚を隔離したり薬剤を散布したりして、しばらく様子を見るとともに水替えの必要があると考えたほうがよいでしょう。
水替えは、一度に全部新しい水に取り替えるのではなく、古い水を1/2から1/3くらいそのまま水槽に残し、他の古水を新水に取り替えるようにします。これは、古い水をすっかり流してしまうと、せっかく繁殖した濾過バクテリアも一緒に捨て去ることになるほか、新水ばかりだとこれまでの古水とあまりにも異質で、金魚に与えるショックが大きすぎるからです。
また、水槽を掃除する時は、まず水槽の古い水を別の容器にとり、そこに金魚を静かに移します。そして、 残りの古水を使って容器類を洗います。新しい水を使ってもいいですが濾過バクテリアを少しでも生かすために古水を利用するほうがいいでしょう。掃除が終わりましたら、汲み置き水かハイポで中和した水と古水を水槽にそそぎ、水温に注意しながら金魚を放すようにします。
病気の治療に大切なことは、早期発見、早期治療です。原因はさまざまですが、水質の悪化、水温の急激な変動、酸素不足なども病気の原因になります。普段から飼育用水の色や、臭い、水面の泡 などに注意しましょう。また新しい金魚を追加する場合は、細菌や寄生虫などをまれにもっている可能性がありますので1週間ほど隔離して、食塩浴などをさせて様子をみるとよいでしょう。
食塩浴の方法は、導入する食塩を1リットルの水あたり5gを入れ、小さめの水槽か容器に隔離して酸素を補給してあげましょう。また容器が小さくなった分、水も汚れやすくなるので2日に1回は、1/3の水の量を交換して、水温も合わせましょう。エサは、2~3日間与えないようにします。